【培養装置】種類と製品一覧
【培養装置】種類と製品一覧
培養装置とは、動物や植物、昆虫の細胞、菌類や細菌を培養する装置のことです。
培養する対象の性質から細胞培養と微生物培養に分けることができます。
細胞培養とは、動物や植物などの多細胞生物から細胞を分離し、体外で増殖させることです。
細胞培養装置で培養させる細胞は、存在形態により接着培養系細胞と浮遊培養系細胞に分けられます。
様々な処置を行い培養することにより、試験・研究目的の実験や医薬品などの生産に用いられています。
最近では、シングルユースに対応した装置や、操作や分析が自動化された自動細胞培養装置が開発されています。
一方の微生物培養装置は微生物を培養する装置のことですが、微生物の言葉の意味が広く、培養に用いられる微生物は限られます。
古来より、人間は麹菌や酵母や乳酸菌などの微生物の働きによって食物が有益に変化することを利用し発酵食品を作ってきました。
近代になると、微生物の代謝を利用しアミノ酸をはじめとする産生物を工業化できる技術が構築されました。
培養方法もフラスコ同様の回分培養から、添加を行う流加培養、さらに培養液を抜き取る連続培養も検討されるようになりました。
現在では、遺伝子解析・組換えの技術も加わり、様々な分野へ広がりを期待されています。
この工業化の際に、微生物を培養させる装置が開発され現在の基本となっています。
ここで、微生物を培養に用いられる装置の種類について記載します。
☑ バイオリアクター ・・・ 生体触媒(微生物、動植物細胞を用い、浮遊、固定化共に含む)を用いて生化学反応を行う装置の総称
☑ インキュベーター ・・・ 人工孵卵器を指し、恒温器とも呼べ、微生物の培養にも用いられる
☑ 振とう培養器 ・・・ 恒温下で容器を振とうさせ、温度・撹拌・通気の培養が可能
☑ ジャーファーメンター ・・・ 微生物の大量培養に用いる装置、通常は~100リットル迄をいう
☑ ミニジャーファーメンター ・・・ 同じく微生物の培養に用いる卓上装置、~10リットル迄をいう
当社が扱っているのは、微生物の培養を目的としたもので、温度、通気、撹拌を主とし、
添加制御とモニタリング機能が充実したジャーファーメンターと呼ばれるものです。
動物腸内細菌群の代表的なグラム陰性の桿菌を大腸菌という。
動物の腸内に常在し、大半は非病原性だが消化器を中心に各種の疾患を起こす病原菌も含む。
大腸菌は実験室で簡単かつ安価に培養できることから多くの研究に用いられている。
通性嫌気性のため培養に酸素は必須ではないが、代謝物の生産に用いる場合は好気培養にて、
酸やアルカリや基質の添加により条件を整えながら培養を行うことが多い。
乳酸菌は、代謝により乳酸を産生するグラム陽性の桿菌や球菌をいう。
乳酸発酵によって嫌気的に生育するが、酸素があっても死滅しない。比較的低いpH条件下でよく増殖する。
産生される乳酸により環境を酸性に変えることで他の微生物の増殖を抑えている。
乳酸菌飲料など腸内細菌の代表格として注目度が高く、身体に対するさまざまな研究が行われている。
酢酸菌は、アルコールを酸化してカルボン酸に変換する酸化酵素を持つ、グラム陰性の好気細菌をいう。
天然には糖や炭水化物が酵母によりアルコールが生成しているような場所に存在し、好気性の為、液体の表面に膜をつくる形で成長する。
枯草菌は、土壌や植物に存在する好気性のグラム陽性の桿菌で芽胞を形成する特徴を持つ。
納豆菌は枯草菌の一種になる。芽胞の形態では、熱や酸・塩基、エタノールなど耐性を持ち、
培地や機器へコンタミネーションの原因になることがある。
酵母は、真菌類の単細胞性の微生物の総称をいう。子嚢菌、担子菌、不完全菌の中で酵母形をとるものの名前となる。
酵母の多くは出芽によって増殖するが、分裂酵母は均等分裂を行う。
糖からアルコールや二酸化炭素に代謝する機構を持ち、古くからパンやお酒造りに利用されている。
三ツワフロンテックのジャーファーメンターは「培養の基本へのこだわり」と「お客様の使いやすさ」を追求しています。
主な特徴ついては以下の通りです。
微生物培養装置(ミニジャーファーメンター)は以下の構成からなっています。
■NBCシリーズ(Neo Bio Culture )
【特徴】
①ファーメンターの第一章:コンタミ無きこと
「菌溜りをつくらない」「高い洗浄性」にこだわったモノづくり
②スケールアップを意識した設計思想と生産装置を意識した長寿命設計
〇温度、撹拌速度、通気量の調節ができます。
・ 温度制御
加熱は底部のプレートヒーターと冷却は槽内U字管への通水弁によるカスケード制御
・ 撹拌速度制御
回転計を見ながらボリュームダイアル操作します。
フィードバック制御の採用により高い精度な回転制御します。
・ 通気流量
フロート式流量計のボリューム操作によりAir流量を調節できます。
〇天板貫通部は全て溶接・バフ研磨仕上げにより、隙間の汚れ溜りと洗浄性に配慮しています。
〇培養コントローラー、計装ユニットとの組み合わせにより、様々な培養手法、槽内モニタリングが可能となります。
〇加圧タイプ(耐圧0.2Mpa)培養もございます。
※250mL、500mL、15L仕様などもございますのでお問合せください。
詳しくはこちら→
http://mitsuwa.co.jp/baiyou/baiyou01/
指示・調節計シリーズが更に充実、使い勝手も良くなりました!
〇 培養目的・培養条件・ご予算に合わせて多彩な組合せが可能です。
〇 pH・OPR・DO・CO2用変換器にUSB外部メモリ出力機能を搭載、お持ちのPCへセンサーデータを
CSVファイル形式にて保存・再生が可能となりました。
センサー指示計、自動添加調整計、添加調整・制御・・
詳しくはこちら→
http://mitsuwa.co.jp/baiyou/baiyou01/
ラボスケールファーメンター 進化系インテリジェントバイオコントローラー
iSCCシリーズ (Intelligence Sequential Controller)
デジタル対応電極を標準搭載してセンサーマネジメント機能がレベルアップしました!
【特長】
〇 発売以降、多くのお客様のニーズを反映、制御機能は業界最高クラス
〇 好気~嫌気培養、回分・流加・連続培養まで幅広いアプリケーションへ対応
〇 温度.撹拌速度.通気流量に加えpH.DO.消泡.ポンプFEEDなど多彩な自動制御が可能です。(※外付けポンプ、自動通気制御はオプション設定)
〇 使い勝手と多彩な設定/表示機能を両立したタッチパネル操作
・メインモニタ : 各センサPV値、ポンプ積算時間を表示、ポップアップ表示によるSV値及び開始/停止の設定機能
・トレンドグラフ: リアルタイム又は過去の計測値を表示
・パラメーター: 各パラメーター設定画面のアクセス又はプリセット保存機能
・プログラム設定: 設定時間に応じて自動的に各プロセス制御設定値
・アラーム履歴: 異常警報表示機能、日時履歴、発報/確認/復旧/アラームメッセージ/回数など
〇 デジタルpH、DO電極採用で信頼性の高いデータとマネジメントを提供
・ケーブルからのノイズ不安が低減
・滅菌・校正履歴、電極の状態、劣化情報など診断管理機能が充実
〇 PCデータロギングソフトによる条件設定・記録が可能(※オプション)
※アナログpH、DO電極を採用したSCC シリーズも併売しています。
詳しくはこちら→
http://mitsuwa.co.jp/baiyou/baiyou01/
〇培養センサー
【特徴】
微生物培養にて用いられるセンサーは定置洗浄(CIP)および定置滅菌(SIP)プロセスが頻繁に実施されるアプリケーションで使用する目的で作られています。
弊社が採用するセンサーは、これらのプロセスの高温や突発的なサンプル変化に耐え、最小限のメンテナンスで正確に測定できることを最優先に採用しており、
長年の実績から圧倒的なご支持をいただいております。
詳しくはこちら→
http://mitsuwa.co.jp/baiyou/baiyou07/
微生物培養装置(ミニジャーファーメンター)の構成でもご紹介しました、撹拌機構にマグネットドライブを採用し、
使いやすさを追及した卓上型の培養装置です。
より詳しい内容・仕様は以下のURLからご覧ください。
http://mitsuwa.co.jp/baiyou/baiyou01/
中型蒸気滅菌タイプKMJシリーズ (全容量20L~90Lまで)
最大90L 容量までマグネットドライブ方式対応可能
【特長】
〇温度、撹拌速度、通気流量、pH、DO、消泡などの制御をはじめ、手動、自動の滅菌制御までお客様のご要望に応じて製作いたします。
〇マグネットドライブ方式採用でコンタミリスクが少なく、かつシンプル構造なので良好な使い勝手を実現しています。
※上部又は下部ダイレクトドライブ方式もあります。
〇タブレットやPC を使った遠隔制御も可能です。
より詳しい内容・仕様は以下のURLからご覧ください。
http://mitsuwa.co.jp/baiyou/baiyou02/
研究用卓上型~生産用3000Lまで、スムーズなスケールアップをお約束します。
弊社では3000Lまでのパイロットプラント製作実績があり、培養条件の最適化のシミュレーションを行う設備として、
また中規模程度の本生産培養装置として広く使用していただいております。
大腸菌、酵母、乳酸菌、糸状菌、放線菌などの微生物の種培養~本培養の連続工程システム設計や遺伝子組み替え体培養対応も可能です。
より詳しい内容は以下のURLからご覧ください。
http://mitsuwa.co.jp/baiyou/baiyou03/
【回答】温度・通気・撹拌の基本は同じですが、振とう培養器は試験管やフラスコなど多検体培養ができる利点があります。
ジャーファーメンターは培養に必要な条件を一定に保つことがき、生産プロセス検討に用いられるなど、より細かな制御が可能です。
【回答】培養槽に対し、培養液が約6割程度になるように槽容量を選定します。発泡性が気になる場合は割合を減らします。
基本的な培養は、温度・通気・撹拌となりますので、設置環境に、電気・冷却水・エアーが必要となります。
微生物の培養に適切な条件を保つために、pH電極、DO電極などのセンサーとその制御装置、加えて条件を維持するために添加装置、を選定します。
ジャーファーメンター(卓上・ラボスケール)の場合は、培養前にオートクレーブで滅菌を行いますので、培養槽の大きさに合わせたオートクレーブが必要になります。
【回答】一般的な仕様で、ジャーファーメンター(卓上・ラボスケール)は約100万円~約300万円程度です。
ジャーファーメンター(ベンチスケール)は約1,500万円~です。
【回答】消耗品として、滅菌フィルター、送液用チューブ、パッキンなどがあります。
また、培養槽の撹拌部部品やpH電極、DO電極の消耗品、などの定期的な交換が必要です。