【SAICAS】切削法による薄膜の密着性・せん断強度測定

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  • 表面界面物性解析装置

 サブミクロンオーダーの薄膜や多層膜など、薄膜の剥離・密着性や膜強度の評価は重要性を増しています。
しかし、これらの物性値の評価は、材料の強度・構造の影響により解析が難しく、評価方法があまりありません。
この表面界面物性解析装置では、切削法により、薄膜の密着性・せん断強度を測定することができます。

 

特徴

EN型装置(厚膜)

NN型装置(薄膜)

 

剥離強度・せん断強度が簡単な操作で測定できる装置です
また、多層膜での各層の分析(IRなど)前処理にも応用できます 

 

■薄膜・コーティング材の物性評価でお困りの方に!

● 剥離強度
 コーティング材の接着性の度合いを数値化できないか
● せん断強度
 コーティング材の強度を数値化できないか
● 強度の深さ方向解析
 この材料はどれくらいの深さまで変質しているか
● 多層膜 多層膜の各層の剥離強度・せん断強度を知りたい
● その他 擦傷性、摩擦係数、硬度を切刃の交換により測定可能

 

■原理

鋭利な切刃を用いて、素材の表面から内部にかけて切込み、その際の切刃に生ずる抵抗力を読み取ります。

切刃の切込み段階で「せん断強度」、界面に沿って移動させることで「剥離強度」の測定を行うことができます。

 

切削のイメージ

定常型剥離

非定常型剥離

★写真:木材の多層膜カット


  
  

 

アプリケーション

●半導体用薄膜・レジスト・層間絶縁膜(Low-k膜)
●カラーフィルタ
●機能性フィルム
●二次電池
●接着剤
●金属蒸着膜
●各種塗装・多層膜塗装
 (自動車用塗装、建材用塗装、製缶用塗装、
 サッシ用塗装、 非鉄金属用塗装、プリント基板用塗装)  

★写真:レジスト膜(厚さ約0.5μm)の切削断面
斜めに切削した部分に膜圧の違いによる干渉縞が観察されます

 

 

▶▶斜め切削法でTOF-SIMSなどのサンプル作成が可能

 

サブミクロンオーダーの有機薄膜や多層膜などでは、 深さ方向分析が必要とされています。 しかし、従来のイオンエッチング法では、官能基を破壊するため、有機物が変質してしまい、 正確な分析ができないという問題がありました。
斜め切削法を用いることにより、 サンプルにダメージをあたえることなく、 深さ分析用のサンプルを作成することができます。

 

■斜め切削法とは

有機薄膜サンプルに対し、浅い角度で斜めに切削を行います。切削断面をTOF-SIMSなどで表面分析することで、エッチングを行わずに、深さ方向の分析が可能です。

■サンプル例

700nmレジスト膜

切削サンプル

(長距離斜めカット)

                                        

分析応用例

各種の表面分析と斜め切削法との組み合わせで、
有機薄膜にダメージを与えずに、深さ方向分析が可能です。
●TOF-SIMS
●顕微FT-IR
●イメージングIR
●XPS
●熱物性顕微鏡 ・・・ナノ薄膜とミクロ領域の熱分析分布測定

 

用途

各分野の機能性有機薄膜の深さ方向分析に

●有機EL
●レジスト
●UV硬化樹脂
●Low-k膜
●塗膜
●燃料電池 等 表面界面物性解析装置サイカス

 

二次電池について

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