単一粒子・薄膜熱物性測定 サーモリフレクタンス顕微鏡|サイエンスエッジ株式会社

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  • 周波数領域サーモリフレクタンス顕微鏡

光の反射率が物体表面の温度によって変わる現象を利用して、試料の熱物性を非接触で測定する装置です。
「高精度レーザー集光・走査技術」×「独自の三次元熱拡散モデル解析」により、新しい熱物性評価を可能にします。

・ミクロン粒子単体(最小5μm)の熱伝導率を非破壊、非接触測定
・ナノ薄膜や積層体の面内/面直方向の熱拡散を分離評価
・3次元構造体、薄膜の接合界面熱コンダクタンス測定
・熱物性値を高分解能で顕微マッピング
※測定にあたり試料表面に金のトランスデューサーを成膜する必要があります。

概要

「顕微」×「レーザー走査」が実現する新しい三次元ナノスケール熱分析

 

InFocus κ FDTRは、ナノ~マイクロスケールの熱物性値を高精度に評価できる、周波数領域サーモリフレタクタンス顕微鏡です。
高精度なレーザー集光技術と独自の三次元熱拡散モデルにより、単一粒子や薄膜の熱伝導率測定や、熱伝導率の異方性評価を実現。
また、高精度なレーザー走査技術やXYZ電動ステージとの組み合わせにより、面内熱伝導率の測定や、
熱伝導率や接合部界の面熱コンダクタンスなどの熱物性値のマッピング分析も可能です。

 

顕微ならではの三次元解析と微粒子の測定
円柱座標系の三次元熱拡散モデルを使用してデータ解析を行うため、熱伝導率の異方性評価が可能。ミクロン径の微粒子の熱伝導率の評価も可能です。

      新しい熱分析を可能にする多彩な測定モード
ステージ走査に加えて、プローブ光を走査するレーザー走査機構を搭載。熱伝導率のマッピングやビームオフセットによる面内熱伝導率測定が可能。

 

   

     

原理

 

[step:01]ポンプ光で加熱し、プローブ光で信号を誘起

      [step:02] 微弱な信号をロックインアンプで検出

 

   

 

   

     

 

 

[step:03] サンプルの熱物性値により位相遅れが変化

      [step:04] 測定値をフィッティングし逆問題を解く

 

   

 

   

 

 

仕様

型番

InFocus κFDTR

ポンプ光

445nm
スポット径:およそ2μm(@20x,NA=0.45)

プローブ光

514nm
スポット径:およそ1μm(@20x,NA=0.45)

対応トランデューサー Au
変調周波数領域 10kHz-50MHz
本体サイズ W505×D560×H480mm
本体重量 70kg
その他 マッピング測定機能
異方性測定対応
高分解能ラマン分光機能(オプション)
冷却加熱ステージ(オプション)

※製品の仕様は予告なく変更する場合がございます。あらかじめご了承の上、詳細は都度ご確認ください。

アプリケーション

■単一粒子の熱伝導率評価|単結晶アルミナ粒子(18μm)

 

 粒径18μmのアルミナ粒子にレーザーを当てて熱伝導を測定し
 バルクとほぼ同じ値が得られました。

 

 

 

■薄膜材料の熱伝導率|100nm厚アモルファスGe1-xSnx薄膜

 

 厚さ100nmのアモルファスGeSn薄膜でSn濃度を変えて熱伝導率を測定し
 Snが多いほど熱伝導率が低下する傾向が確認できました。

 

 

 

■界面熱コンダクタンス|3次元積層半導体界面の熱特性

 

 積層シリコン構造の接合界面における熱抵抗の良し悪しが、FDTRで検出できるかシミュレーションしたデータです。
 ビーム径を50μmに広げ、10~50kHzの低周波で測定することで、20μm下の接合界面の熱抵抗を評価できる可能性が
 示唆されました。